四国内視鏡外科研究会

代表世話人あいさつ



 この度、初代代表世話人の塩田邦彦先生、前代表世話人の渡部祐司先生の後を継ぎ、歴史と伝統ある四国内視鏡外科研究会の代表世話人を拝命した押切です。前進である香川県内視鏡下談話会が最初に1993年に開催されてから30年が経過し、その間に内視鏡外科の世界は著しい進歩を遂げました。国内外の様々な臨床試験を経て既存術式に対するその有用性が示され、内視鏡関連機器の性能が飛躍的に向上した結果、内視鏡手術は低侵襲手術として一般社会でも広く認知され、各分野で標準術式となりつつあります。 
 一方、黎明期にはたくさんの試行錯誤が繰り返され、日本内視鏡外科学会はじめ多くの内視鏡外科関連学会・研究会が各地で立ち上がり、どの会も非常に活気がありました。その後たくさんの手技が考案されては淘汰され、各領域における内視鏡術式の標準化が進んだ半面新規性は乏しくなり、このような研究会の当初の目的・使命は果たされつつあります。発展的解消を選択する会もあるなかで本会を継続するには、ロボット、AI、医工連携技術といった新しいことも貪欲に取り入れ、会の存在意義を確立していく必要があると感じます。
 また、本会のような地域研究会の大きな使命のひとつに若手の教育が挙げられます。外科医の減少が続く昨今、優秀な若手内視鏡外科医を育てることは5年後、10年後の地域医療を見据えた重要な課題です。四国四県が協働して先生方と共に魅力ある研究会を開催し、微力ながら本会の発展に貢献していければと思いますので、宜しくお願い致します。


愛媛大学医学部消化管・腫瘍外科学講座 押切太郎